行動主義理論
◯ 行動主義理論(Behaviorist Theory)
・提唱者:B.F. スキナー(B.F. Skinner)
・概要:言語習得は「刺激→反応→強化」のプロセスで行われる。
・学習方法:模倣と強化により学習する
・批判:子供が文法的に間違った文を自発的に作ることは説明できない。
普遍文法
◯ 普遍文法(Universal Grammar)
・提唱者:ノーム・チョムスキー(Noam Chomski)
・概要:人間は生得的な言語習得装置(LAD : Language Acquisition Device)を持っている。
・学習方法:生得的な能力により言語のルールを推測して適用する。
・批判:第二言語習得においてLADがどこまで機能するかは不明。
モニターモデル
◯ モニターモデル(Monitor Model)
・提唱者:スティーブン・クラッシェン(Stephen Krashen)
・概要:言語習得には以下の5つの仮説がある。
①習得・学習仮説(Aquisition-Learning Hypothesis):言語習得には「自然な習得」と「意識的な学習」の2つがある。
②自然順序仮説(Natural Order Hypothesis):文法の習得には一定の順序がある。
③モニター仮説(Monitor Hypothesis):学習した知識は発話の習性に使われるが、会話の流暢さには影響しにくい。
④入力仮説(Input Hypothesis):現在よりも少し上(「i+1」)のレベルのインプットが重要。
⑤情緒フィルター仮説(Affective Filter Hypothesis):不安や自信のなさがあると習得の妨げになる。
相互作用仮説
◯ 相互作用仮説(Interaction Hypothesis)
・提唱者:マイケル・ロング(Michael Long)
・概要:言語は相互作用(会話)を通じて習得される。
・ポイント:会話の中で「明確化の要求」や「リキャスト」が起こり、学習者が言語を修正しながら習得する。また、読む・聞くといったインプットだけでなく話す・書くといったアウトプットも重要。
出力仮説

・提唱者:スウェイン(Merrill Swain)
・概要:言語習得には意味のあるアウトプットが必要。
・ポイント:アウトプットを行うことで、学習者は自信の言語の誤りに気づくことができる。また、フィードバックを受けることで、正しい言語知識の獲得ができる。
社会文化理論

・提唱者:レフ・ヴィゴツキー(Lev Bygotsky)
・概要:言語習得は社会的な(他者との)関わりの中で発展する。
・ポイント:一人では難しいことも、他者の助けがあればできるようになるという最近接発達領域(ZPD : Zone of Proximal Development)」や教師や上級者が学習者をサポートすることで徐々に自立した言語運用ができるようになる。
まとめ

今回は主な言語習得の理論を紹介しました。実際にはそれぞれの理論が単独で第二言語習得の理論を完璧に説明できると言うわけではなく、互いに補完しあっていると考えるといいでしょう。










































